フィードバックミーティングの目的とポイント
以前、心理的安全性についてお話したことがあります。
その際に行う「フィードバック」とは、何かを部下に伝えることです。何がどうであったかを、事後に伝えるのがフィードバックミーティングです。
部下の身からすると、「できなかったことを言われちゃうのではないか」あるいは、「今自分ができていないところを指摘されちゃうかもしれない」と緊張し、嫌がる方も。嫌がるということは、嫌がるようなフィードバックミーティングを経験してきた、ということでもあります。
本来、フィードバックミーティングは、相手に自分の伸びしろを知ってもらう機会です。「ここをがんばったら、自分はこんなふうに成長できるんだ」というフィードバックを部下が上司から受けて、モチベーションが上がるような時間になります。つまり、上司が部下に伝えるメッセージによって、部下の行動に変化が起きる絶好の機会です。
部下の行動に変化が起きるようなフィードバックとは
上司が部下にしたいフィードバックは、モチベーションが高まり、行動に変化が起きる対話です。
1on1の際は、まず、フィードバックを行う上司の目的を伝えることです。目的は「部下の成長にコミットしてサポートする」ことです。フィードバックミーティングの最初に言葉で伝えると、部下は安心し、上司に信頼を置けます。
次に、このように伝えられると良いですよね。
- 〇〇をもう少しがんばったらこうなれそう
- 〇〇に留意すると、よりゴールに近づけそう
- 目標を達成できるような自信がつける
- 部下の“背中を押す”
など。
ついやってしまいがちな“痛いフィードバック”
しかしながら、上司も不本意ながら、痛いところばかりを突いてしまうこともあります。双方にとってそんな体験で終わってしまうのは、本来のフィードバックミーティングではありません。
このときいちばん大切なのは、先に挙げたフィードバックの目的です。先に言葉で伝えましたが、上司が本気にコミットしているかがポイントです。コミットしているからといって「部下が悪い」「今日はお灸をすえなければ」という気持ちがあると、痛みを伴うものになりますので、注意が必要です。
もちろん意地悪をするつもりはなくても、無意識に「あいつをちょっと言いまかせてやろう」という気持ちが少しでも上司にあると、相手のモチベーションを上げるようなミーティングにはなりませんし、何よりも相手の行動に変化を起こすこととは真逆の方向に行ってしまいます。
ポイントは、上司の部下の成長へのコミットメントです! あなたの部下は笑顔でミーティングに参加していますか?
どうでしょう皆さん。フィードバックミーティングはミーティングの際、部下は喜んでその場に足を運びますか。表情に笑顔は浮かびますか。それとも、ちょっと嫌がっているかもしれない……そんな雰囲気を感じますか。
皆さん、部下にフィードバックミーティングをするとき、何にコミットしていますか。
部下に今日は、これはガツンと言ってやろうというようなところにコミットしていませんか。それとも、部下の成長にコミットし、「〇〇をがんばって成長してもらい、行動が変わっていくといいな」という気持ちで向き合っていますか。
部下の行動を変えるのはとても難しいです。部下の行動が変わるには、部下自身のモチベーションが上がって初めて変わります。
もう一度伺います。上司のあなたは、今、どんな点にコミットしていますか。そこをご自分に問いかけてみてください。