自分を活かす考え方

定年退職後に自分が何をしたいのかわからないときの考えるヒント

定年退職後に自分が何をしたいのかわからないとき

自分が何をしたいかわからない理由

「定年退職が近づいていますが、自分が何をしたいかわかりません」というご相談を受けることがたびたびあります。ご自分が何をしたいかを考える機会って、会社員時代って実は多くはないんですよね。

会社が「○○を期待してます」「○○をやってもらいたいです」とあなたの役割や期待されているものがあって、その期待に応えてきた時間が長いと、「自分は○○をしたい」と考えるセンサーが「オフ」になってしまっているんです。これは珍しいことではありません。

ですから、定年退職後に何をしたいかわからない場合、そのセンサーのスイッチを「オン」にしてあげると、ご自分の人生、何かちょっと変わってくるかもしれません。

自分が何をしたいかを探るヒント

では、どうやってスイッチを入れるかですが、コーチが行う問いに「ミラクル・クエッション」というものがあります。

「もし魔法使いが今すぐあなたの願いを何でも叶えてくれるとしたら、何をお願いしますか?」

この問いに答えるのはすごく難しいんです。いざこう問われると、けっこうみなさん、戸惑うんですよね。何でも可能、何でも可能なんて、そんなふうに規制を取り払って考えることってなかなかありませんよね。みなさんこう質問されます。「何でもって本当に何でもですか?」と。

たとえば、回答が「宝くじに当たる」でもいいんです。つまり、宝くじに当たりたいのは、当たった瞬間の感覚よりも、「その金額をもらってどうしたいか」という考えや思いがあるはずなんですよね。

あるいは、「願いが何でも叶うなんて考えたことがないから、とりあえず出てきた回答が宝くじが当たったらいいな」という場合もあります。
この場合、

  • 実際に宝くじに当たったらそれをどんなふうに使いたいか
  • その金額を手にして何ができるか

を考えていただくと、ご自分自身の“思考の枠”をどんどん広げられます。

「何かをしたい」気持ちは、外に広がる非常に大きなエネルギーです。一方、何をしたいか自由に考えていい“許可”をご自身に全然与えてなかった可能性もあります。

制約がない未来の怖さを取り払うには

「○○ををしたい」思いが出てくると、それを「しなければいけない」と考えるかもしれません。「○○をしたい」と考えること自体に怖さを感じる方もいらっしゃるかもしれません。

「こんなことしたい」「あんなことをしたい」と考えることよりも、「そんなことをしたらどうなるんだろう」という怖さが先立ってしまい、思考を止めてしまうこともありますし、怖さゆえに迷いもどんどん膨らんでいってしまいます。

「怖さ」は起きて当たり前の自然の感情です。怖い気持ちをなかったことにする必要もまったくありません。怖さを感じるのは、見えないからです。見えないものは怖いですよね。おばけが怖いのも、見えないからですよね。

怖い気持ちが湧き上がったとき、「私には怖さがあるんだな」「こんなことを考えちゃったら怖いなあ」と、ご自身の内側に不安があることをまず認識し、事実として受け止めてみてください。認めてあげると、怖さは小さくなっていきますし、そこで初めて次に進むことができます。
では、改めて伺います。

「もし魔法使いが今すぐあなたの願いを何でも叶えてくれるとしたら、何をお願いしますか?」

考えていただくと、本来ご自身がしたいこと、この問いへの回答が見えてきます。ぜひ考えてみてください。

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