自分を活かす考え方

 変化のときこそ自分の強みを活かそう

ストレングス 強み

自分のリソースや特有の強みが何かを知る

変化が訪れる瞬間、私たち自身がその変化の波にどう乗るかが重要です。この変化は、自身の心が新たな方向に導かれていることから感じ取るものです。これは、私たち自身が新しい変化の波を創り出しているとも言えます。

新しい変化の波に乗るためには、自分の持つリソースを最大限に活かすことがカギとなります。ここで大切なのは、自分の強みは何かを明確に認識すること。たとえば、高い社交性を持つ方、内省的な思考が得意な方、学習への欲求が強い方など、人それぞれに特有の強みがあります。

強みを活かしてチームビルディングをし直したGさん

経営者のGさんは、自社ビジネスが固着し、下降の危機を感じていました。遠因にはチームビルディングがうまくいっていない点がありました。そこで、セッションでGさんとの対話を深め、彼の強みを客観的に把握するためにストレングスファインダーを用いました。

彼は「個別化」(ひとり一人の特性を理解する能力)、「社交性」、「未来志向」(ビジョンを持って進める能力)が強みであるとわかりましたので、この強みを活かして、新たなチームを組織し直すことに。ひとり一人の特性を理解するために1on1を定期的に行い、社としてのビジョンを共有しながら各メンバーのビジョンを聴き、それらを活かしたチーム作りに尽力しています。

自分の強みを活かした戦略を立て直したことで、Gさんは今、チームビルディングがよい方向に作用し、チームの成長を通じてビジネスの危機も打開しつつあります。

強みを自覚することの重要性

人は、自らが持っている強みをしばしば「当たり前のこと」と感じ、それが特別な強みであることに気づいていません。

たとえば、人との調和を重視する資質を持つTさんは、他人とのコミュニケーションが自然で、争いを避け、周囲のハーモニーを保たせる傾向があります。しかし、他の人にとっては、争いを自然と避けられること自体が特別な能力だったりします。しかしながら、Tさんが自身の強みと認識をしていない場合、なぜ他の人は調和を保つ行動をしないのか困惑し、悶々とすることになります。

強みを知り、未来をデザインする

私はみなさんに、ご自分の才能や強みを発見してみることを推奨しています。その手がかりになるのが「ストレングスファインダー」(クリフトンストレングス)です。

ご自分自身の強みを明示するレポートを提供してくれるツールで、自分のレポートを見ると、自分自身を理解することができます。周囲の方々にもこのレポートを試してもらうと、ほぼ全員が自分と異なる結果を持っていることに気づきます。これは、34の資質の組み合わせが全く同じになる確率が3300万分の1であるため、自分と他者は実際に大きく異なっているのです。

頭で「自分と他人は違う」と理解していても、私たちは無意識に、自分と同じ考えや反応を他人も持っていると期待してしまうことがよくあります。その期待が外れると、理解できない、もやもや感、怒りといった感情が生まれます。

ストレングスを活かした我が家の旅行スタイル

私の夫と私のストレングスファインダーの結果は、大いに異なります。私の強みは「個別化」「ポジティブ」「責任感」「共感性」「未来思考」などであり、夫の強みは「回復思考」「分析思考」「未来思考」「戦略性」などです。この資質の違いは、特に旅行の計画を立てる際に明らかに現れ、それぞれの強みが互いを補完する形で活かされます。

夫は分析が得意で、スキーの旅行の場所を選ぶ際に過去20年分の雪質データを分析します。私はその計画をポジティブに受け入れます。しかし、旅行にアクシデントはつきもの。せっかくのスキー旅行が、雨で台なしになることも。そういったときに私の「アレンジ」や「着想」の強みが活きてきます。雨でも楽しめる第2第3のプランをアレンジし、楽しく過ごせるように工夫します。

つまり、彼は彼なりに分析していますし、戦略思考も高いので、途中で私が彼のプランに横槍を入れるようなことはしません。何かアクシデントが起きたときに、私の着想やアレンジを披露することで、うまくバランスが取れているというわけです(笑)。このような経験から、他人と自分は違うと理解し、その違いを許容し、互いの強みを活かすことの大切さを実感しています。

強みを活かして人生のオーナーシップを取る

強みは単なる自己理解のツールではありません。それを日々の行動に生かし、自分自身が強みをマネージできるようにすることで、人生にオーナーシップを持つことが可能です。人生のオーナーになるというのは、自分が自分の人生を所有し、コントロールしているということです。これは自分の人生に対する確信をもつということです。

強みを見つけ、それを活かす

多くの方はご自身の弱点を見つけることが得意で、強みを発見するのは難しいものです。だからこそ、ご自分の長所を10個程度挙げてみて、それを活かす方法を考えてみてください。わからない場合は、周囲の方に自分の強みが何かを尋ねるのもひとつの方法です。

前述した「ストレングスファインダー」(クリフトンストレングス)もおすすめです。34の資質のなかから、ご自身がもつ上位5位の強みを明確にするだけでも、普段のご自身の選択や行動に対する「こういうことだったんだ」という納得感を得ることができますし、特性を活かした行動指針を立てることができます。

強みを活かした行動計画を立てて、行動してみると、スムーズで無理がないことに驚きます。成長速度を上げていける実感も、いつもと違った楽しい感覚とともに得られることでしょう。

 

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