コーチング

自分に対する“宣言”が未来を創り、今を創る

自分に対する“宣言”が未来を創り、今を創る

自分の未来を自分の言葉で作る

人は自分の未来を自分の言葉で作っています。言葉には現実を作る力があり、実際に変わります。

たとえば通勤しているときに、「こうだったらいいな」とふわっと頭に浮かぶ言葉ってありますよね。高速思考でぐるぐる頭の中を巡ったり、現実逃避的に今とは違うものが浮かんだり。

それを意識的にテキスト化すると、自分に対して宣言することになります。ノートに書いたり、スマホで打って自分にメールを送ったり、どんな形であれテキスト化することは、自分が言葉にした瞬間から、書き出した物事や思いと向き合うことになります。向き合い始めると、その言葉に対して責任が発生し、言葉に重さが生まれます。

たとえば、頭の中で「ダイエットしよう」と思うのと、紙に書き出して「ダイエットしよう」と書き出すのとでは、ニュアンスが違うことをおわかりいただけると思います。前者はふとした思いつきで、後者はやってみようと行動の意思を感じられます。言語化による言葉の重さとは、こういうところにあります。

現状を変えたい人は今すぐやってほしい

コーチングのクライアントがコーチと会話する理由は、現状を変えたいからです。そんな方にはセッションでご自身に対する“宣言”をご提案します。ご自身の実現したい未来をテキスト化していただき、その宣言としっかり向き合っていただくのです。

その宣言に触れたとき、自分の内側に喜びがあれば、その宣言はご自身にとって本物です。逆に「なんでこんなこと宣言しちゃったんだろう?」と疑問を感じるときは、ご自身の思いを深掘りするチャンス。そこに、向き合うためのヒントがあります。

・新たな未来が見えたとき
・新たな目的が見えたとき
・現状を整理したいとき

実現したい未来を書き出してみてください。紙に書くのでもいいですし、スマホのメモで保存するのでもかまいません。とにかく「書き出す」行為が重要です。

自分に対する“宣言”をした後に起こること

自分の実現したい未来に向かった“宣言”をすると、“宣言”そのものが自分の立ち位置であったり、自分に対して確証を持てる場所や気持ちの帰る場所になってくれます。

気持ちが揺らぎにくくなるので、自分への疑いにくくなりますし、実現したい未来に対して無限の可能性を感じることができるようになります。自分が誰で、何を実現したいかわかっていることで、未来を具体的に描き、行動できるようになります。

“宣言”をしても心が揺れる場合は、自分を見つめる機会が訪れたと思ってください。揺れるのは、実現したい未来と自分の思考の癖がぶつかるとき。

普通、ご自分の思考の癖に気づくのはとても難しいことです。そんなとき、指針に使われるのがコーチングです。実現されていない未来に対し、実現されることを前提にコーチがセッションを行うので、“宣言”と揺れたご本人、起こったできごとを俯瞰し、思考の癖をとらえた上で、ご本人が望む方向にどう変えられるか一緒に向き合います。

“宣言”で人生を変えたFさんの話

イギリスで会社員をやっていたFさんの話です。私が彼と最初に会ったとき、彼は普通の会社員でした。あるとき、Fさんが強く感銘を受けた出来事がきっかけでご自分で事業をやろうと決め、私のコーチングを受けることになりました。

Fさんはご自身に対して“宣言”をしました。

「今やりたいと思っている事業を日本で始めて、絶対に成功する」

Fさんは帰国して事業を始めましたが、最初の2年間は赤字続きの苦しい日々でした。Fさんの日々も心も大きく揺れましたが、”宣言”は決して揺らぎませんでした。絶対に実現したいという強い気持ちでやり続け、Fさんは今、社会的にも経済的にも大成功しています。

希望通りに進学できなかったNさんの変化

Nさんという女性がいます。地方出身で、地方の短大を出て、公務員をされています。Nさんはもともと勉強好きで大学進学を希望していましたが、お父様の「女性なんだから短大で十分」との強い意向があり、大学進学は叶いませんでした。

公務員として働きながらも、Nさんは「勉強がしたい」「自分の世界を広げたい」という思いを抱え、ずっともやもやしていたそう。そんなとき、私のコーチングと出会いました。セッションの中でFさんはご自身がずっと抱えていた思いと向き合い、ついに“宣言”しました。

「こんな私だけど、勉強してMBAを取る!」

MBAは大学院(ビジネススクール)で経営学を勉強し、その課程を修了した方が取得できる学位で、受験はもちろん、資格取得の難易度については多くの方がご存じのとおり。

Nさんは働きながら勉強して国内のビジネススクールに合格し、見事MBAを取得しました。受験勉強も授業料も、すべてをFさんご自身で準備をした上で、です。大学進学を反対したお父様は、「そこまでやったのか」と驚きながらも、FさんのMBA取得をとても喜んだそうです。

Fさんは笑いながら私に言います。

「あの“宣言”で、人生が変わりました!」

私自身も“宣言”し続けることで生きてきた

人生を変えられるのは“宣言”です。私の人生もまた、NさんやFさんのように、“宣言”し続けている人生です。独立する前、イギリスのコンサルティング会社で働いていたときに初めてした私の“宣言”はこうです。

「日本人の人生に違いを創ろう!」

かつて日本の年功序列の社会で働くということは、年上の方を尊重しながらがんばり、席が空くのを待つことでした。また、私が新卒で就職した頃、女性は一般職がベーシックな働き方で、男性のサポート役としての仕事が一般的でした。働く女性の未来はある意味安定していますが、ひとり一人の「違い」は活かされにくい状況だったと思います。

どちらも悪いことではありませんが、今自分が感じることや疑問を形にしたいですし、ひとり一人の違いを活かし、個性をもって働く働き方があってもいいと感じていました。その思いがこの“宣言”につながっています。

スティーブ・ジョブズが提唱していたアップルのキャッチコピーは「Think different」。「自分は他人と違っていてもよい。 むしろそれが新しいものを生み、世の中を変えることにつながる」と彼は信じていました。

周囲の人はそんな彼を“変人”と言いましたが、ジョブズはしたいことをするために「Think different」であり続け、結果的にAppleの地位を世界的に確立しました。

私の“宣言”は、日本人の人生にコーチングを普及させることで、いわば、りんごを食べない地域にりんごを売りに行くようなもの。

日本人の人生に今何が必要で、私はどんなことを提供したいのか、自分は誰なのかを考え、自分らしく生きるとはどんなことなのか。私自身もそのテーマと向き合い続けたいですし、クライアントにとっても課題となるテーマです。ひとり一人の“違い”を作るお手伝いを、これからも続けたいと思っています。

生きるルールを決めると人生は楽になる

なんとなくでもこうなったらいいなと思う未来があるなら。頭の中でふわっと思っているだけではなく、ご自分に対して“宣言”をしてみましょう。思いを言葉にし、“宣言”とすることで、ご自身の思いと向き合って、本当にそうしたいのか、そうじゃないかの見極めをするだけでもいいと思います。

“宣言”をすると、自分の優先順位や実現したい未来がクリアになるので、迷いがなくなり、人生が楽になります。

人は自分の未来を自分の言葉で作っています。言葉には現実を作る力があり、実際に変わりますから。

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