自分を活かす考え方

「好き」と「継続」を起点に人生の分岐点を自分でつくる

人生の分岐点

今、何か継続しているものはありますか。

何かをやり続けるのは非常に難しいですが、人生全体で考えてみると、続いている何かがどんな方にもありますよね。生き方もそうですし、今起きていることに自分がどう対応するかは、これまでとの続きが何かあるようにも感じます。

長年続けていることはありますか

人生は旅と一緒ですよね。「昨日は〇〇に行ったから、今日は△△に行ってこんなことをしてみよう」「明日は□□になったらいいよね」と、何かが繋がり、続いていきます。コーチングもその過程を「コーチングジャーニー」といった形で、旅として考えることもあります。

ご自分のことを考えてみてください。
何かを続けることと、どんな関係性を作っていますか。

続けることによって、ご自分自身が辛くなったり、もう限界だと思うかもしれません。その感情も大切にして、そう感じているご自分を観察することも必要です。人生を旅として考えた場合、継続をしていくこと自体が、いかに大切か感じることもあると思います。

積極的に何かをしたいと意思表明しなかった人生を変えたい

ロンドンのクライアントにEさんがいます。セッションを始めて、もう7~8年になりますが、彼女はとある高級百貨店のワイン売り場で働いています。彼女はワインが大好きで、ワインの近くにいることが好き。もちろん、ワインに関する知識も豊富です。

Eさんがセッションを始めたとき、「ワインが好きでやってるけれど、これから先、どうしようか」といろんなことが曖昧でした。ですが、「ワインが好き」という点に関してはものすごく明確でしたので、そこを起点に本当はどんなことがしていきたいのかをセッションで考えていただきました。

そこから出てきたのが、「ワインの記事を日本語で書いて、日本の皆様にお届けする」ことでした。

Eさんは仕事として記事を書く経験はありませんでしたが、ワインの広大な知識はもちろん、「もっと気楽に手軽に、いろんな方にワインを手にして楽しんで欲しい」という強い思いを持っていました。セッションを続けるうちに、「思いを言葉にしたい」気持ちがムクムクと表に出てきます。

もともとEさんは遠慮がちかつ謙虚な方で、自ら積極的に何かをしたいと考えたり、発言することに躊躇があり、表立って意志表明することは苦手でした。ですが、「ワインの記事を書いてみたい」という思いがこれまで以上にはっきりすると、行動することにしました。

あふれる思いをエネルギーにして、行動する

Eさんはワインの有名雑誌を隅から隅まで読んでおり、なかでもよく登場するフランスワインの巨匠が大好きでした。ワインの情熱を形にし始めたEさんは、どこに発表するというわけでもなく、とにかく自分で記事を書き始めました。

そんな彼女が、ある日突然「とにかく巨匠に会って、インタビューしてみたい」と言い出しました。

セッションで「それは面白いアイデアですね。どうしてですか」と伺うと、「彼の話を直接聞いて、どんな思いでそのワインに出会い、テイスティングしているのか直に聞いてみたい」という思いがあふれてきたそうです。自分で文章を書き進めている中で強く思ったと。

「いいじゃないですか。どうしたらその方にお会いできるんですか」と伺うと「全然わかりません」が最初の回答でした。普通はそこであきらめるところですが、Eさんは「教えてくれないかもしれないけれど、まずはとにかく聞いてみることからやってみたいと思います」と雑誌の編集部に連絡することに。ツテもなく、何もわからないところから行動し始めました。

すごく謙虚で「私なんて……」とうつむきがちだったEさんですが、文章を書き始めたら、やりたいことがムクムクと湧いてきて、あちこち当たってついに例の巨匠の連絡先を手に入れました。ですが、「どうしよう、私なんかが巨匠に連絡しちゃったら変に思われるかな。日本人の変な女の子がいきなり来たって思われるかもしれない」とモジモジ。

でも、「彼をインタビューして記事にしたい」という情熱を頼りに、Eさんはがんばって連絡しました。巨匠はとても心が広い方で、Eさんを彼のところに招待してくれたんです。彼女のワイン仲間3人も一緒に招待してくれて、彼の元で1週間ほど過ごしたそうです。

Eさんは憧れの巨匠とワイナリーへピクニックに行って、ワインとチーズとサンドイッチを美味しくいただきながら、巨匠のワインレクチャーを直に受けたそうです。すごいですよね!

続けることが力になる

「こんな私がそんな巨匠に出会えるのかしら」という気持ちから始まったEさんですが、振り返ってみると、百貨店のワイン売場で働いていたときから彼女の中の情熱はずっと継続していたんですよね。

その情熱がセッションによってどんどんどんどん大きくなって、言語化され、形になりました。その過程で、憧れの巨匠に連絡してお会いした上にレクチャーまで受けて、ワインオープナーのプレゼントをいただいたそうです。

「本当に夢のような1週間でした!」とEさんはお話ししていましたが、これも彼女の継続のパワーあってこそ。何かを長く続けることは難しくもありますが、だからこそ継続が形になるときは、力強い現実をつくることがあります。

このあとEさんは、自分なりに書き溜め続け、「やっぱり媒体に掲載されるよう、持ち込みをしてみます」とあちこちの編集部に原稿を持ち込みました。そしてめでたく、イギリスに日本人向けの新聞で毎月記事を書くようになりました。

最初に掲載された当時は紙に印刷されていましたので、掲載記事を毎月私に送ってくれたんです。すごい話ですよね。「本当に私なんて……」というところから始まったセッションでしたから。今はオンラインでも読めるようになりましたが、Eさんは現在も記事を書き続けています。継続の力はすばらしいですよね。

継続の力を自分の内側から引き出すには

続けることは大変ですが、それだけでとても強いです。まさに継続はパワー。継続は人生を駆け上がるすべての源になります。

この記事を読んでいる方も、継続のパワーをぜひ試してみてください。どこにその種があるのか、次の問いでご自分に訊ねてみてください。

  • 今、継続していることには何がありますか
  • なぜそれを継続していますか
  • もし今継続していることが何もない場合、ご自分の中でこれは続けたいという思いが少しでもあるとすれば、それは何ですか
  • その継続したいと思う理由は何ですか

継続の種を見つけたら、それを情熱の源にして行動してみてください。長く積み重ねてきたからこそ出る力が、きっとあなたを助けてくれます。

-自分を活かす考え方