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人生の分岐点で迷いなく選択するために

人生の分岐点人生の分岐点に立つきっかけ

人生の分岐点をどんなタイミングで考えるかというと、5年後、10年後にご自分自身のありたい姿を“今”を起点に考え始めたとき、そのタイミングが来たと感じる方が多いように感じます。

分岐点というと、行き先は右と左もあれば、そのまま直進する道もあります。直進があるということは、後ろに戻る選択肢も存在することになります。ですから、どの方向にも行けてしまうのが「分岐点に立っている状態」とも言えます。

今まで10年や20年の間にがんばってきたことが浮かんだり、自分が会社や周囲に期待されていることを無我夢中にやってきたことに思いを馳せる方も多いと思います。それはすばらしいことですよね。

一方で「あれ? このままでいいんだっけ?」とご自分の中で思う瞬間があったり、そう感じる頻度が高いなら、「今、自分は人生の分岐点にいるんだ」と気づき、立ち止まって考える時期が来たのかもしれません。

昇進を打診されたときもひとつのきっかけに

分岐点に立つきっかけは2通りあって、ひとつは自分の中で「あれ?」と思う頻度が高くなっているとき。もうひとつは、誰かからの言葉がきっかけで気づくときです。

よくあるのは、上司から「〇〇さんには次のステップに進んでほしい」「もうちょっとがんばってマネジメント職にならないか」といった声や期待をかけられたときに気づくケースです。

「あれ? 自分がしたかったのはこれだっけ?」
「会社や上司の期待に応えられるかな?」
「会社や上司の期待通りにすることは、自分にとって望ましい選択かな?」
「専門職を目指しているけど、マネジメント職になることって自分の望みなのかな?」

そんな疑問が出てきます。いずれにせよ何らかの出来事によって、人生の分岐点に立っている認識を持つ瞬間になります。

分岐点では混乱するのが普通です

分岐点に立っているときは、もやもや感や「あれ?」という感覚が継続しています。すっきり感がない状態は、居心地の悪さを感じてしまうがゆえに受け入れたくないのが自然な心理です。ですからご本人の中で「このもやもや状態はいったい何?」という疑問が消化しきれず、継続してしまいます。

疑問が継続している状態が恒常化すると、面倒になることもあります。すると、「なかったことにしよう」と考えてしまって、「期待されたことに自分を合わせるほうがいいのかな?」と自分に思い込ませて、行動させようとすることも多々あります。

それはそれでひとつの選択としてあるかもしれません。ただ、そのタイミングで「自分は今、ひょっとしたら人生の中で分岐点に立っているのかもしれない」と気づき、認めてあげると、違った世界を広げられるチャンスが見えてくるかもしれません。

ご自分が今どこに立っているかを確認できる問いがあります。

  • ご自身の中でもやもや感はありますか?
  • もやもや感があるとしたら、どんなときに出てきますか?
  • もやもや感がないとしたら、ご自分の中で「前進あるのみ」といったところで確信を何パーセントぐらい感じられますか?

これらの問いを通じて、まさに今、ご自分がどこに立っているのかを知ることができます。少し静かな時間を取って、ご自分に問いかけてみてください。

人生のブレークスルーが起こる寸前だからこそ自分を見失う

人生の分岐点では、混乱のあまり自分を見失うこともあります。そこを認識できるかどうかは、次の大きな一歩につながります見失っていると認識できたときこそが、「人生のブレークスルーの一歩手前」に立てるからです。

つまり、ブレークスルーの寸前に立っているからこそ、自分を見失っているとも言えます。

ですから、自分を見失ったらいけないとか、自分を見失っている自分はダメなんだと思う必要は全くありません。その点をまずご理解いただきたいです。

人生を見失う感覚は、その分岐点に立っているときに正解がわからない状態です。でも、あえて言うなら、正解を探そうとするから迷っているとも言えます。「ベストアンサーを探そう」というその思考そのものが、分岐点での迷いの源になるからです。

ベストアンサー探しというのは、短期的視点で選択してしまうことになります。5年後、10年後に自分がどうなっていたいかの長期的視点で考えると、ベストアンサー探しからいったん離れて、この先を考えることができます。「ベストアンサー探し」から「ベターアンサー探し」に慣れるとも言えます。長期で考えると、選択肢が広がる感覚も出てきます。

つまり、5年後、10年後につながる“船”の中で、今まさに分岐点にいるんだと自分を設定すると、短期的視点とは違った選択肢が見えてきますし、本来自分が目指したい方向としっかりすり合わせができるようになります。

自分の答えは常に自分にありますから、そこを信頼して「右に行ってみたい」あるいは「左に方向転換しよう」と変更が必要だと思ったらそれでいいんです。そしてその答えは、自分次第でいつでも変更できます。

自分の選択に不安があるとき

もしも乗っている船が”泥船”だったら、自分で自分のことがよく見えて、現状に気づいたということでもあります。”泥船”自体を否定や悲観するのではなく、この現状からどうしたいのかを観ていくだけです。そのためには、自分を信頼していないと、現状はよく見えません。

自分で自分を信頼できてないときは、幻想の中にいる可能性が高いんです。万が一その現状を認識して、それが幻想、乗っているのが泥船だとわかったら、それはそれで万々歳。よかったじゃないですか。わかったからこそ、この船を修繕するのか、それとも別の船に乗り換えるのか。それでこそ、新たな分岐点に自ら立てるわけですよね。

泥船だろうと、はたまた豪華客船だろうと、いずれにしろご自分を信頼して現状を見てあげられる自分を作ってあげる。そのためにご自分と向き合ってあげる。そこが大切です。

では今、ご自分がどんな船に乗っているか確認してみましょう。

  • 今あなたが人生の分岐点に立っているとしたら、今自分で自分のことに対してどれぐらい自分を信頼していますか?
  • 何パーセントぐらい信頼していますか?

割合は100でも80でも60でもいいです。もちろん、30でもいいです。ご自分がどれだけ自分自身を信頼しているかの現状を確認できてこそ、ご自分に向き合い、次のアクションを取ることができます。

ぜひどんな船に乗っているのか確認して、人生の分岐点の波をうまく乗りこなしてください。

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