部下から信頼を得るに必要な自己開示
信頼を得ることはチームビルディングの一歩で、チームの関係性を作るのに最も重要です。信頼を得るために「信頼をください」と上司が部下に求めるものではないことは、みなさんよくご存じだと思います。
信頼を得るためには、上司側がまず自分自身を開く、つまり、自分が誰であるかをお伝えします。一方的に伝えるのではなく、対話が重要です。自分を開示するときに、何でもかんでも開示をする必要があるかとい言えばそれは不要で、まず自分がどういう思いでこの仕事に関わっているかが伝わるようにするのがポイントです。
一方的に上司が自己開示して、部下が何も開示をしてこないときは、上司側が開示しているものは伝わっていない可能性が高いです。少なくとも、部下にとってご自身が信頼に足る領域に近づいてはいません。ですから、開示するときには何を開示をするのかきちんと考えておくことが必要です。
自己開示に必要な情報って?
信頼関係を作りたい部下にとって上司のどんな情報が必要かというと、どんなことが上司本人とって大切なのかという点です。ご自分の価値観に関わるところから伝えていくと、部下に意図が伝わりやすくなります。注意したいのは、秘密を守る点です。上司が部下に自己開示したことで部下が何かを開示してくれるときは、コンフィデンシャリティ、「ここでの話は口外しない」と伝えることで、部下が安心して話せるきっかけにもなります。
部下が何か相談をする、あるいは何か困っているときに建設的なフィードバックを上司としていかに伝えられるかも重要です。建設的なフィードバックを伝えるときに自己開示を添えられると、なおよいです。フィードバックと言うと、指導や指摘するイメージがあるかもしれません。
そうではなく、自己開示というのは、「自分はこういうふうに考えた」「自分はその状況だったらこうなってしまうのではないかと心配した」というような、「自分だったら○○○」という視点で話をし、共感しやすいポイントを作ることです。
自己開示で大事なのは、明瞭であること、簡潔であることがポイントです。
自己開示が苦手な方の取り組み方
とはいえ、自己開示と言ってもどこまで開示をしていいかわからないと迷われる方、得意ではない方もいらっしゃると思います。無理にご自分のことを「話そう」「話さなければ!」と自分を追い詰める必要はありません。チームビルディングをしたい当事者の方は、「自己開示自体がちょっと緊張しちゃう」「慣れていない」という気持ちそのものを、言葉で伝えるのも自己開示の一歩となります。たとえばこんなふうに。
私はAさんといい関係性をつくって、いいチームをこれから構築したいと思っています。そのために何か自分のことをお伝えしたいのだけど、どこから伝えていいかわからないと、ちょっと戸惑っているところもあります。
こんなところからお伝えすると、話している方の気持ちが伝わりますし、聴き手が歩み寄るきっかけにもなると思いませんか。こういう対話を重ねることによって、チームの信頼構築を積み重ねていくことができます。
みなさんはチームのメンバーの人との信頼を得るために、どのような自己開示をし、どのようなところからご自分をお話ししていきたいと思っていますか。あまりこういうことを考えたことがなかったら、まさに今日から考えるチャンスです。ぜひ考えてみてください。