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パワハラが怖くて部下と話せないとき、上司としてどう接すればいいか

パワハラが怖くて部下と話せない

自分の声がけがパワハラになりそうで怖くて、部下と話せない。そんなときはありませんか。

「これを言ったらパワハラになっちゃうかも」と思って言葉を飲み込んだり、過去に「それはパワハラなんじゃないの」と指摘されたことがあったりすると、部下と話すとき、ちょっと緊張しちゃいますよね。

「パワハラになったらどうしよう」という恐れが生んでいるもの

ご自分の中では意識していなくても、もしそんな思いがあるなら、ひょっとしたらあなたはパワハラ恐怖症かもしれません。パワハラにならないよう意識することでパワハラは起きないかもしれませんが、その相手の方、部下やメンバーとの関係性は築けていないかもしれません。

この関係性は、もうちょっと言うと、相手の方との信頼関係が構築できているかということです。英語では「gain your trust」信頼をゲイン、得るという表現になります。その“信頼の貯金”を周囲の方との間にどのくらい作れていますか。

パワハラにならないよう遠慮しがちなコミュニケーションをしていると、恐れのほうが先に立ってしまい、互いに考えていることがしっかり伝わりません。となれば、人間関係の構築や信頼を築くのは、難しいですよね。

部下との信頼関係構築に必要なこと

上司として大切なことは、部下やメンバーとの信頼関係の構築です。当たり前と感じる方もいると思いますし、関係づくりや信頼構築につながるコミュニケーションをしっかりやっている方もいると思います。

では、あなたは部下との信頼構築をつくるコミュニケーションのために、日々どんなことをしていますか?

たとえば、「今日はどう? 元気?」という声がけが部下への挨拶代わりになっていませんか。

あるいは、定期的に行う1on1ミーティングがありますよね。会社によっては、1on1のシナリオやマニュアルを用意している場合もあります。「今週一週間、どうでしたか?」と導入文の例がマニュアルにあると、それをそのまま読んで、1on1を実施していませんか。

当然、棒読みにならないよう気をつけているかもしれませんが、お決まりの“定型文”として心が入らない状態で、そのまま相手に投げかけていませんか。

相手の顔を見て、表情を見て、心から「今日はどうですか? 元気ですか? 今週一週間どうでしたか?」と声をかけていますか。あなたの気持ちが入った言葉になっていますか。

どんな言葉がけであれ、相手にとって上司であるあなたの言葉に心が感じられるかどうか。ここに大きな違いがあります。

部下に心を開くと何が変わるか

信頼関係の構築は、上司の側から部下に対して自分をオープンにしていくことがポイントです。部下に「これを言ったらいけない」「ここまで踏み込んじゃったらどうかな」という思いがあると、心を開いて接することは難しいですよね。

ですから、「心を開いて部下と関係構築をする」という意図を持って、部下と向き合い、コミュニケーションすることが大切です。

なぜ必要かというと、業務における目標達成の基盤となるのは、信頼関係だからです。つまり、上司と部下が信頼で結びつき、信頼の基盤が強固であればあるほど、業務上での達成も大きくなります。

上司との確固たる信頼関係があるからこそ、部下は安心して業務を進められますし、結果として業務上の目標達成が可能になります。目標達成の大きさや深さ、スピードにもその関係性は大きく比例します。

もちろん、信頼関係がなくても優秀な部下は実績を出すかもしれません。ただ、周囲との関係性が希薄な個人の成功は社内で成功として認められにくいこともあります。

踏み込んだ発言をしてしまったときは

上司と部下の信頼関係は、業務上の目標達成に直結しています。ご自分の部下との関係性を振り返ってみて、もし信頼関係がいまいち築けていないと感じるなら、今日からコミュニケーションの取り方を少し変えてみてください。

部下に「今日はどう? 元気?」と一方的で義務的に声をかけず、心をオープンにして「今日はどう? 元気?」「今週はどうだった?」と心から部下に興味をもって、積極的に話しかけてみてください。

あなたらしさはそのままで(誰かの真似をする必要ないという意で、「あなたらしさはそのまま」)、信頼関係を構築しようという意図をもって、ご自分から部下に対して心を開いて接してみてください。その先には、部下の心に一歩踏み込んで話をすることもハードルが下がり、スムーズになってくるかもしれません。

「ちょっと踏み込みすぎちゃったかな」と感じたら、「踏み込みすぎる発言かもしれないけど」と少し枕言葉をつけて話すと、部下も聞く姿勢ができていますから、そのつもりで話を受け止めてくれる準備ができます。

ぜひ、自分から心を開いて、あなたらしさをもって少しずつ部下との信頼関係を築いてみてください。それを続けることで、「パワハラをしてしまうかもしれない」という恐れは、自然と消えて、真の信頼関係の構築が深まるようになります。

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