何かの節目で目標を立てると思います。あなたは最近、どんな目標を立てましたか? こんな目標を立てた方もいらっしゃるんじゃないでしょうか。
- ダイエットする
- 転職する
- 副業を始める
- 年収を倍にする
- TOIECで900点を取る
あなたは、ご自分が立てたその目標に対してコミットメントをしていますか。それとも、執着していますか。
目標に対する執着とコミットメントの違い
コミットメントとは、自分が自分にしている約束です。「自分が何をする人」であるかは、当然、短期の視点ではなく、中長期の視点で自分自身を考えているとも言えます。もっと大きな視点で見ると、自分の存在意義にも通じるものになります。
執着とは、文字通り何かにしがみつくことです。立てた目標を絶対に達成しないといけないとか、この目標を達成しないと、自分はもうここにはいられないんじゃないかという考えで、何かにしがみついている状態を言います。
あるいは、「このままではいけない」と現状を否定したり、きちんと現状を認識できずに現実逃避することも執着です。
ダイエットを長年目標にしていたAさんの変化
例を紹介しますね。先日、私のコーチング講座を受講したAさんは、毎年ダイエットを目標にしています。その目標を立てている理由は、ふたつあって、ひとつ目は「太っていたらダサい。だからダメだ。ダイエットしなきゃ」。ふたつ目は、「何もせずにいたら、どんどん太る。とにかくそれが嫌」。
ところが、コーチング講座でご自身の無限の可能性に気づいたところで、「山に登ってみたい」という視点が出てきたんです。実際に山を登り始めると、軽快に山に登るには、身体が軽いほうが楽だとわかりました。すると、「楽しく山に登るためにダイエットしたほうがよさそう」という認識に変わりました。
つまり、「山に登る」ことが自分との約束(コミットメント)になり、その約束を果たしたいからダイエットしようと意識が全く違う方向に切り替わったのです。
同じダイエットでも、行う動機が「ダサい」「嫌」という現状否定から行うのと、「楽しく山を登りたいから取り組もう」と思って行うのでは、取り組み方にも意欲にも、天と地の差がありますよね。
目標達成のために苦しむのは正しい?
目標達成に対して現実逃避や執着があると、苦しむ瞬間も生まれやすいです。
先ほどのAさんの目標はダイエットですが、「太っているのがダサい」という理由が動機になると、
- この運動をしなきゃいけない
- これは食べていい・食べてはいけない
など、数々の制限の連続のなかで暮らすことになりますから、常に苦しみが、どこかで湧いている状況になります。Aさんにとって「とにかく太るのが嫌」。ここが目標達成の出発点になってしまうと、これはもう苦しいですよね。
目標にコミットすると行動が変わる
ところが、Aさんには「楽しく山に登りたい」という目的がありました。山に登って、自然を思いっきり味わいたい。もっと楽しむには、軽い身体と体力が必要で、実現すればどこまでも歩いていけるようになります。
Aさんは自分に問いました。
なぜ「ダイエット」にコミットしたのか。自分に訊ねてみると、すべき行動が自然と見えてきます。
今日も一日在宅ワークで、気づくと一日中PCの前に座っていた。こんなことをしている場合じゃない。30分くらい散歩に出かけよう。あるいは筋トレをしようか、それともちょっと走ろうか。
やるべきことが、自然と行動に現れるようになります。結果として、Aさんはダイエットを無理なく達成できてしまいます。なぜなら、Aさんは「気分よく山を登れる人になりたい」からです。
きっかけ次第で目標達成度は変わる
あなたは最近、どんな目標を立てましたか?
目標によく挙がるものには「転職」もあります。「今年こそ転職したい」。なぜ転職をしたいのでしょうか? 「今の職場が嫌だから」が理由だとしたら、それは現状逃避であり、転職に対する単なる執着です。
あなた自身は何をする人ですか。あるいは何をする人でいたいから、転職をしたいのでしょうか。
副業も同じです。周りの人も副業していて、「年収が上がっていいな」と思ったからというだけでは、副業の理由にはなりません。ご自分自身に対して「なぜこの副業をしたいか」を探求しきれていません。
「なんとなくしてみようかな……」「周りがやっているから楽しそう」という気持ちが理由なら、現状否定による現状逃避、執着からそんな考えが浮かぶのかもしれません。
副業をするなら、「自分が何をしたいのか」「なぜしたいのか」を紐解いてみてください。
TOEICも、同じです。900点をなぜ取りたいのでしょうか。
「900点を取ったら、興味のあるプロジェクトに参加できる」。そのためなら、毎日20ページのテキスト学習も楽々続けられるかもしれませんし、もし900点を取れなかったとしても、ご自分が望むプロジェクトに参画できる可能性も出てくるかもしれません。
自分との約束をどう守るか
目標達成や望む結果を創るには、自分への約束、自分は何をする人で、なぜこの目標結果が必要なのか、そこを考えてください。そこから目標を設定するのがコミットメント(自分との約束)で、それあっての目標達成です。
繰り返しになりますが、目標を立てても結果が出ないときは、何かに執着したり、現実逃避をしているかもしれません。その点をもう一度確認して、目標をブラッシュアップしてみてください。