コーチング

現状維持がダメな理由

現状維持がダメな理由

大きな失敗をしたくなくて足踏みをしている方が、真の幸せをつかむためにやりがちなのが、現状維持です。

「ちょっとでもよくしたい」の思考が招くもの

足踏みをしているのは、充実感が足りない感覚にあるとも言えます。では、どうすればその足りないものを補えると思いますか。

「もうちょっと効率よく利益を出せたら」
「もうちょっとワークライフバランスが取れたら」

そんなふうに考える方もいると思います。

効率よく利益を出そうとすると、確実性を狙う方が多いです。確実性を狙うのは大変素晴らしい思考のひとつですが、出る結果としては、現状よりほんの少しのプラスアルファを目指すことになります。結果、それが現状維持につながります。

これは、ご自分が本当に望んでいることでしょうか。

ご自分では現状維持を望んでいないと思う方も、ぜひご自分を疑ってみてください。変化のない毎日が続いている場合は、無意識に現状維持を求めているかもしれません。

現状維持がリスクになる理由

現状維持は、非常にリスクですよね。今はVUCAと呼ばれる時代です。VUCAとは、「Volatility(変動性)」「Uncertainty(不確実性)」「Complexity(複雑性)」「Ambiguity(曖昧性)」の頭文字を取った造語で、先行きが不透明で将来の予測が困難な時代という意味です。

数年前に起きたコロナ禍も、このVUCA時代を象徴していますよね。いきなり起きて、あらゆることが不確実であいまいな中、どう乗り切るか。このような時代だからこそ、現状維持から脱出する思考を持ち合わせることが大切です。そして、この時代性をどう生き抜くか考える必要があります。

ですから、今は意識的であれ無意識的であれ、現状維持にコミットしている場合ではありません。起きてくることをどのように捉えられるかがポイントになります。

物事の捉え方は出来事の意味を変える

物事の捉え方には、ふたつの考え方があります。

ひとつは、「自分に対して起きてしまった」という捉え方です。「どうしてこんなときに〇〇が起きちゃうんだろう」と、出来事が自分に対して不利益をもたらし、英語では「against」の意味をもちます。

もうひとつは、「〇〇が起きたのは自分のためではないか」と、想定外に起きたことを「ありがたい」とする捉え方です。英語では「for」の意味です。

さて、あなたは、起きてくることをどう捉えていますか。

ピンチをチャンスに変えたPさんの例

クライアントのPさんの例をご紹介します。PさんはB2Cのビジネスモデルを行う会社を経営しています。業務スタイルは業務上対面が基本で、オンライン化に力を入れていませんでした。

コロナ禍が起こったときは、「自分に対して起きてしまった」出来事として捉えました。店舗は閉めないといけませんし、お客様にも店舗以外で会うこともできません。どうしたらいいんだ……と大変苦慮しました。これはもう完全に「起こったこと」ですよね。

でも、Pさんは「自分のために起きた」と捉えることにしました。「これを機会にオンラインで何かビジネスを始めてみよう」と、ECサイトを始めたのです。ECですから、日本国内に留まる必要さえありません。

Pさんは東南アジアにネットワークを持っていますので、東南アジアで新しい商材を見つけて、ECサイトで販売を始めました。これは結果的に、新しい事業部門を立ち上げたことになります。コロナ禍を「自分のために起きた」と捉えられたからこそ、ピンチをチャンスに変えられたとも言えます。

不利益を「自分のために起きてくれた」と捉え直す

現状維持に思考を留めると、目の前の出来事に対して「自分にとって不利益が起こった」と捉えがちです。

ですが、何か自分にとってショックを受けるようなことが起こったときこそ、ご自分に起きたことをどう捉えるか。まずはそこから考えてみてください。「自分のために起きてくれたんだ」という視点を持つことで、現状を大きく突破することができます。

-コーチング